除霊体験 その1 〜深夜のドライブ〜
学生時代のじめついた暑い夏
ウンチェはその日も気怠い雰囲気の大学にいた。
確か大学2年生だったか?
授業が退屈でよくサボって喫煙所でダラダラくだらない話を似たような先輩たちと喋っていた
この時期よく他校からバンドメンバーの「M」が同じく授業サボってうちのG大学までわざわざ車で遊びに来ていた。
なかなか離れた距離から来るので相当暇だったのであろう。(後にお互い単位がやばくなる)
喫煙所で「M」とはオススメのアーティストやAV女優をシェアしたりチンコ出して暴れたりよくしていた。
そんな感じでふざけている中、当たり前なんだけどやはり他の生徒は授業を受けている。
俺らの笑い声はよく目立つ。
チャイムが鳴るとすぐに顔見知り達が近づいてくる。
「あ、Mじゃん、お疲れ〜」
「N」が手を振りながら喫煙所へやってくる
「M」がうちの大学に来ると「N」や「S」、あと「アホ」がよく集まる。
「N」はウンチェが高校の頃からの仲で、HIPHOPが好きなクールガイ。「M」ともよく遊んでいる。
「S」は「M」が高校の頃からの友達。弄りのプロフェッショナル。
「アホ」はなぜ大学に入れたかも謎なほどの馬鹿でヤンキーに憧れているタイプ。頭が弱い(外国語学科なのに英語全く出来ない)
みんなでワイワイ売店に行ってお菓子食ってだべる。
無限にあるかのような学生生活
何をしても暇である。
やるべきことなんかわからなかったし
刺激が欲しかった
その日も学校終わってから何するかをみんなで考えていた
とりあえずドライブやな。
と「M」が決定した。
よく「M」の運転でドライブに行っていたがこの日もドライブである。
「N」はバイトで遅くなるから後に集まることになった。
楽しいドライブになるはずだったんだ。
日もくれ、帰路へ着いた我々は各自準備した
晩飯を食うと俺は「M」が来るのを外で待つ
「今日も海行ったりファミレスでグダる感じだろうな。明日はバイトあるし夜更かしもあんまりしたくねーな。」
そんな感じでたそがれていると「M」が颯爽と車でやって来て落ち合う。
「今日はなんしよーか」
「わかんねー。」
ラフな感じで会話をする。
しかし、妙な違和感があったんだ。
「M」はその時期メンタルが弱る出来事が多く危なっかしかった。
ソワソワしている感じもすぐにわかる。
会話もだんだん暗い話になっていきそうだったので励ましながらのドライブだった。
そんな中、車を走らせ次は「アホ」の一人暮らしをしているボロ屋へ。
アホはパンツ一丁で肉、しかもレバーを焼いていた。
強制連行して車に乗せて「S」の家へ。
「S」が乗るとワイワイなった。
時刻はだいたい21時半ぐらいだった。
「どこ行こうか」
「うーん、、これといって思い浮かばんな」
「海は行ったし」
すると、「M」が切り出す
「心霊スポット行かん??」
「超面白そうだな!」と一同湧いた。
俺なんて「幽霊ぶっ殺しに行くぞ」とか調子乗っていた。
長崎市内から少し登った山にある、長崎の夜景を一望できるとある公園へ向かうことになった。
何故か「M」は切り出しておきながらバツが悪そうな神妙な表情だった。
ワイワイしてるうちに近づいていくいわく付きの公園。
昼間は近隣の住民達が集う見晴らしの良い遊び場なんだが
夜は街灯も少ないせいか暗く、じっとりした雰囲気に包まれている。
過去にこの公園のトイレで不審者が女子高生を強姦した後にバラバラにしてしまったという噂もある。
俺も坂道を登る車内で少しずつだが怖くなってきていた。
いきなり「M」が
「やっぱり嫌な予感がするからやめる」
と、言い放つ。
「アホ」「ひびっちょんのかww」
「S」「帰るんかい(笑)」
俺は内心ホットしていた
???
いや、待て
引き返すって、言いながらガッツリ公園の辺り口に向かっとるけん自分?(笑)
そうである。
やめとく、と言いながらガッツリ目的地に謎に「M」は車を走らせていた(笑)
「M! そこ、入口やけん??」
と、ウンチェは叫ぶ。
目を見開き、焦ってUターンする「M」
「アブナイカラッッッ❗️❗️❗️❗️❗️❗️」
と、叫ぶ「M」はなんか半泣きだった。
謎にアワアワしている。
妙な雰囲気が広がる車内
無言で運転する「M」
坂を下る中腹地点にローソンがあるのでそこで一旦止まることに。
「なんしたんやM(笑)」と一同
俯いたままの「M」
具合が悪そうだ。
笑いながらなだめるウンチェ
というのも「M」以外当時免許を持っていなかったのである。
なんとかしっかりしてもらわないと帰れない…
水を買ってきた「S」が「M」に渡すとごくごく飲み干した。
めっちゃ顔が青ざめている。(笑)
心配した俺はとりあえず煙草を1本渡して吸わせようとしたが吸えないらしい。
大丈夫か?
すると。
喋り始めた
「ボソボソ…」
?
よく聞こえない、震えている
ボソ、、、ボソボソ
耳をすますと分かった
「痛いョォ…首が…痛てぇ……」
なるほど。
とりあえずそんなもん堪えてはやく運転して欲しかったが、
「首? 揉んでやっから楽になったら言えよ。」
首を揉み続ける。
ずっとしゃがんだままの「M」
馬鹿にしていた俺らだが、不安が広がる
少したつと楽になって来たのか息が整い始めた「M」
ほらっと、煙草を吸わせる。
深呼吸の如く深く煙を吸って吐きだす。
これで落ち着くだろう。
しかし、
ぎゃああァァァァァァァァ❗️❗️❗️❗️❗️
「痛てーーー❗️❗️❗️❗️❗️❗️❗️❗️❗️」
いきなり今度は叫び出す「M」!
マジで赤ちゃんみたいに叫んでいて笑いを堪えながらも、「大丈夫やマジで?」と背中をさする。
どうしたらいいんや
「マジでなんや!!」とウンチェ
「痛い!、、、とりあえず、、ここに居たらヤバい。か、帰る❗️❗️❗️❗️」とヤツは車をいきなり発進させる。
もうわかるんだけど、
この奇行は
絶対に悪霊に憑依さるとる。(笑)
震えながらも運転したが、
数メートル先でいきなり路駐してしまう(笑)
またもや、しゃがみこんでしまう。
道のど真ん中で途方にくれる中、
しびれを切らしたのか「S」が
「そうや、、とりあえず「N」がそろそろバイト終わる頃や。ヤツを呼ぼう。」と冷静に提案して外に出て電話をかける。
「アホ」は必死に何かをググッている。
お祓いの十時切りを練習していた。
カオスである。
助手席から「M」を伺う
「ボソボソ…」
なんだ今度は
「悲しいんよ。」
「何が悲しいんや?」と俺
「とにかく、悲しい。悲しいよ…ゥゥ…」
涙を流す「M」
めちゃくちゃ面白いけど、ただ事では無い。
なだめていたのもつかの間
いきなり車内から飛び出す「M」
ブワッッ!
危ない!
咄嗟に腕を掴んだが、謎の野生のパワーで引き剥がされる
「危ねーだろが❗️❗️❗️❗️❗️❗️💢💢💢」と叫ぶウンチェ
「M」は道路の真ん中で手を広げ、大泣きしながら叫ぶ!
「死んでやるっ❗️❗️❗️❗️❗️❗️❗️💢💢💢💢」
田舎の狭い道路
対向車は普通に止まった。(笑)
「M」はまだ泣いていたが普通に車に戻って来た。
「アホ」はまだ十時切りをしている。
どうなっちまうんだ…
この状況
果たして「M」は助かるのか。
続く…